島原万丈 「今の住宅業界や消費者に『人に寄った暮らし』を再提示したい」


 

島原万丈  HOME,S総研

 

1989年株式会社リクルート入社、株式会社リクルートリサーチ出向配属。2005年よりリクルート住宅総研。消費者目線の調査研究を通じて、一般社団法人リノベーション住宅推進協議会発起人、国土交通省「中古住宅・リフォームトータルプラン」検討委員など、ストック型社会の実現に向けた提言活動に従事。2013年3月リクルートを退社、同年7月株式会社ネクストでHOME'S総研所長に就任。主な調査報告に『愛ある賃貸住宅を求めて NYC,London, Paris & TOKYO 賃貸住宅生活実態調査』(2010年)、『STOCK & RENOVATION 2014』(2014年)、『Sensuous City[官能都市] ―身体で経験する都市;センシュアス・シティ・ランキングー』(2015年)などがあり、住宅業界のオピニオンリーダーとしての役割を担っている。

 

【メディア実績】

日経BP(不倫や夜の顔など新たな指標で街を評価)

http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/news/1510/102702132/?rt=nocnt

日経ビジネス(これから家を買うときには出口戦略が重要になる)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20110622/221071/

 

今の住宅業界や消費者に『人に寄った暮らし』を再提示したい

 

2005年当時、人事異動で調査研究対象が住まいという領域に移行した際、それ以前に関わっていた業界、例えば120円の缶コーヒーを売る業界ですら真剣に消費者の満足度に向き合っているのに、一生に一度と言われるような高額な商品を扱っている不動産業界が、売った後の暮らしにほとんど関心をもっていないことに、私は大きな違和感を覚えました。都市・地域といったまちづくりや住まいのあり方は、公共性はもちろん、一人一人の幸せのあり方へ非常に大きな影響を与えます。だからこそ、市場性や効率性に偏重しすぎる業界のあり方や、便利で手間がかからないが、どこか画一的で、その人らしさの影がぼやけているような住まいの造られ方、その上で営まれる暮らしは、本当に本質を捉えているのか。今こそ、もっと感覚的で、人間臭い『人に寄った視点』を取り戻す事が必要なのではないでしょうか?

 

共感を呼ぶ、ウェットなマーケティングリサーチが得意です。

 

私は民間企業に勤めるマーケティングリサーチャーですが、ただ正確なレポートを提出するだけではなく、レポートを受け取った業界や人が『実際に動く』ということを目指しています。例えば『Sensuous City[官能都市] 』(2015年)など、これまで発表したレポートは、読み手の気持ちに深く届くよう、文章だけでなく装丁のデザインまで気を配っています。また、リノベーション業界など、新しい価値観で住まい・暮らし作りに関わる人とのつながりが強いです。

 

不透明な時代にあってもゴキゲンに生きていく術とは

 

私は若い頃から、サラリーマンとして会社と対等な関係でいられるよう、いつも考えていました。サラリーマンが勤め先の会社と対等でいられるために大事なことが2つあると思います。1つには自分の市場価値を冷静に見積もり、会社への貢献と福利厚生等もろもろ含めた報酬のバランスを常に意識することが大切です。もう1つは、会社の外にもう一つ自分の居場所をつくることだと思います。兼業がベストだと思いますが、なにかボランティアでもいいし、ブログやnoteを使っての表現活動でもいい。収入やアイデンティの拠り所を100%会社に依存するのは非常に危険な生き方です。それらを適度に分散させておくことは、不透明な時代にあってもゴキゲンに生きていく術だと思います。